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8/20/2007

- phofa
- まずは、キャラクターを描き始めたきっかけを教えてください。
- KAWS
- 初めてTOYを作成した90年代後半ぐらいからキャラクターを描くことに非常に興味を持ち始めました。それ以前にもキャラクターを描いてはいたのですが、まだ今のように家族的な身近さではなかったです。初めてTOYを作る前、数年ほどアニメーション関係の仕事もしていました。
- phofa
- アニメーション関係の仕事は(時間制の)アルバイト感覚で?
- KAWS
- いや、フルタイムだったかな。当時の僕にとって、それはただ“仕事”ということでやっていました。そのときは、アニメーションには全く興味が無かったので。
- phofa
- その経験が現在のスタイルを形作った?
- KAWS
- いえ。その経験によって、今のようなイラストができているわけではないんですよ。まあ、かといって、なにが原因でこんなアートワークに移行していったのかというと、はっきり言って自分でもよくわからない(笑)。でも、アニメーターだったから、というところがルーツではありませんね。
- phofa
- 今まで使ったことのない新しい画材にチャレンジしたことは?
- KAWS
- 10年くらい同じモノを使ってるかな(笑)。変えようともしてないですね。一度慣れてしまうとずっと使うタイプなのかもしれない。もちろん、実験的なペインティングもやってみようと試みたりもするんですが、結局はいつも使っているモノに戻ってきちゃう。
- phofa
- では、結局は使わなくなってしまったけど、試しに使ってみた画材やテクニックにはどんなものがありましたか?
- KAWS
- 例えば、なにかこう……、まったく異なる性質を持ったインクを混ぜ合わせてみたり? もともと得意なものがマットな質感のペインティングなんだけど、それに何か光沢のある成分を混ぜることによって、イラストの表情を変えたりしたかな。他には、黒一色でもマットとグロスを使い分けてみたり。これらは実験的な作業としてやってみたことがあります。また、いつもと同じようなインクを使っても、透明度をいじることによってバリエーションを出したり……。シルクスクリーンを作成する際に自分の中にあるイメージを具現化させる手段としてこのような試みをしたことはありますね。
- phofa
- 最近ではグラフィックアートの枠を飛び越え、南青山のショップ『OriginalFake』のアートディレクションを手掛けていますね。
- KAWS
- 今は僕自身の方向性を見つけていくために、こういったディレクションをやってみることが、すごく正しいやり方のように思えています。ただ、僕は常に行ったり来たりしているので、将来的にこうなりたいという想いでイラスト以外の仕事に関わっているわけではないかな。
- phofa
- では、企業とのコラボレートや他のクリエイターと組んで製品を作ることについてはどう思っていますか?
- KAWS
- 僕はアートワーク(芸術)とプロダクト(製品)にボーダーラインは設けないし、優劣もつけないんですよ。両方とも同じスタンスで向き合っているつもり。ペインティングがあって、それが実際に製品になることもあれば、製品としてTシャツ用のグラフィックをデザインしたことで、ペインティングに影響を受けることもある。だから、作業のバリエーションを増やして変えていくことで、常に新しいものと向き合っている気分が得られる。それは僕にとって良いことですね。
- phofa
- あえて自分のクリエイションとは関係のない第三者(他のクリエーター)と関わることで良い影響を受けている?
- KAWS
- 第三者が関わって、僕の作品が変化することは常にチャレンジだと思ってます。それは決して悪いチャレンジではなくて。ファッションだったり、建築だったり、その道のスペシャリストとしてやっている人たちのフィルターを通して製品ができあがってきたときの喜びは、自分一人で物を作る喜びとは別の感動がある。実物が手元に届いた時は本当に嬉しいし! ペイントを自分一人でやるのとは違った作業で、他のクリエイターと対話しながら完成するものだから、作品にいろんな角度からの視点が込められているんですよね。それはとても素晴らしいことだと思います。
- phofa
- ファッションと言えば、今秋に発売されるGORE-TEX(R) JACKETの止水ジッパーに、歯のイラストがプリントされているのに驚かされました。
- KAWS
- そういった意味でも(OriginalFakeのアパレルデザインでディレクターを務める)今野さんと一緒に仕事できてよかったなと思ってます。僕はグラフィックのことばかり考えているから、ファッションにおける材料とかあんまり知らないので……。アパレルデザインのプロである彼の言ったことを信用して、また、ひとつのマーケットに関して信頼できる相手と仕事ができるのは、本当に素晴らしいこと。お互いのバックグラウンドを活かしながら仕事ができるのはいいですね。
- phofa
- では、ショップ『OriginalFake』の内装に関しては?
- KAWS
- ここはWonderwallの片山さんに協力してもらいました。僕のアイデア……、例えば、壁を遠くから見たらクラシックな印象なんだけど、近くで見たらタイルの一枚ずつがポップな顔になっているとか、コンテンポラリーなテイストが込められたものにしたかった。伝統的なものをちょっともじったり、トッピングしたりが好きなんですね。
- phofa
- 僕、これ好きですよ。アイコンとして機能している。×の目 、歯のイラスト、クロスボーンのスカルなど、KAWSを象徴するアイコンとして。
- KAWS
- 僕の場合、新しいグラフィックを描いたときに、パッと思いついて完成するわけではないんです。元はいたずら書き程度に描いたところから始まったものがほとんどで、それらが勝手に育っていく。自分に子供ができて、その子供がどんどん成長していくみたいな感覚かな。目の×や歯のグラフィックなんて、初めて描いたときはこんな風になるなんて思ってなかったもの。でも、彼らみたいなのが増えていって、ファミリーっぽくなったら良いですね(笑)。
- phofa
- 今後、どんなクリエイションに関わってみたいですか?
- KAWS
- OriginalFakeに関わったことで、ショップのデザインなんかをやってみたいと思いましたね。例えば、片山さんと一緒にお店を作って、できあがったら「はいじゃあまた次の店!」って作っていけたらいいなって思ったり(笑)。現実的な話じゃないですけどね。
- phofa
- 建築や内装のデザインに興味がある?
- KAWS
- 少しね。おもちゃを初めて作ったときに「あ、僕のグラフィックが立体になるとこうなるんだ」って新鮮な喜びがあって。それが、このショップの設計でも同じように「あ、スペースってこうやって作るんだ」って思えたことが楽しくて。
- phofa
- さて、そろそろ最後の質問です。自分が60歳になったときにどんな生活、どんな生き方をしていると思いますか?
- KAWS
- う~ん……。クローゼットから若い頃に作った本を引っ張り出してきて、自分たちの子供に見せて「昔のお父さんはこんなにカッコイイことをしていたんだよ」って聞かせられるようになりたいなって……(笑)。
- phofa
- 60歳のKAWSはもう引退して、くたびれちゃってるの?(笑)
- KAWS
- 今の自分ですらクールに生きてるかどうかわかんないけど(笑)。いつかその時がきたら、子供たちをうまく騙せたら(トリック)いいなって思いますね。でも、引退はまだしてないことは確かですね。
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