2007年6月8日
「あしたの国」のお話  - その1 -



皆さんはルドルフ・シュタイナーという人をご存じでしょうか。
現代美術に詳しい方であればヨゼフ・ボイスに影響を与えた芸術家として、文学に詳しい方ならミヒャエル・エンデの作品にインスピレーションを与えた思想家として知っているかもしれませんし、教育の分野では「シュタイナー教育」の創始者として有名だと思います。最近いろいろときっかけがあって私もその思想の裾野に足を踏み入れるようになりました。

 シュタイナーの理念に基づく運動はヨーロッパを中心に世界的な広がりを持ち、芸術、教育など文化的な活動のみならず、政治経済にも及ぶ包括的な社会改革の動きとなっているようです。ヨゼフ・ボイスは「人は誰でも芸術家である」という考え方で、人間のあらゆる活動を「社会彫刻」として捉えましたが、彼が積極的に関わった「緑の党」は現代の政治状況に大きな波紋を及ぼしました。
その「緑の党」の基本理念はシュタイナーの「経済には友愛を、法には平等を、精神には自由を」という社会思想から導かれたものだそうです。また、私企業や銀行にも、シュタイナーの理念に基づく運営をしているものが実際にあると聞きます。

 千葉県長生郡長南町というところに「あしたの国 - RUDOLF STEINER MORGENLAND - 」はあります。それはシュタイナーの思想を活かした地域共同体を創りだす試みで、敷地は21万坪、東京ドーム15個分と言いますからかなりの広さですが、バブル崩壊で頓挫した住宅開発用の土地を非常に安い価格で取得できたそうです。私はまだ行ったことがありませんが、基金へのささやかな参加者として、その「市民」となりました。
 具体的な「場所」=「空間」としてすでに存在しているというのは、とても魅力的なことです。空から見た写真ではこんもりと緑の里山が連なっていて「何もなさそう」ですが、そこがまた未来を感じさせていい・・・

 「あしたの国」という活動に私が参加しようと思った理由のひとつに、その“ゆるやかさ”があります。それはひとつの社会運動で、NPO法人が主体となっていますが、参加するにあたって何か特別な組織や制度に入らなければならないわけではなく、主旨に共鳴した人がそれぞれ自分の経験や技量を活かして「教育芸術/環境福祉/健康農業/医療/まちづくり」といった様々なプロジェクトに参加できるようになっている。そもそも、来年に学校法人「シュタイナー学園小学校」が発足するということ以外には、まだとりたてて形あるものができているわけでもないようです。しかしそこが「あしたの国」たるゆえんで、これから参加する人がかなり自由に発想を活かせるかもしれない・・・

 なんだかとても漠然としたことを書いてしまったようですが、実際に地元の自治体や多くの企業の助成も得て、この活動は進みつつあります。「あしたの国」の可能性について、また機会を改めて考えてみたいと思います。




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