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2007年11月7日
ギャラリーのサイトにも書いていますが、皆さんの参考になるかと思いここに投稿します。また少し堅い話を ------------------------------------------------------------------------------------------------ この頃気なることがあるので少し書いて見ます。 あくまで私が知る範囲でのことに限られますが、アートをめぐる領域のあちこちで原則的なことがないがしろにされ始めているのように感じます。欧米、アジアで続いている現代アートのブームがようやく日本にも及びつつあるわけですが、そのことを背景に、目先の利益や短期的な事業拡張だけにとらわれている人たちが増えているように思うのです。 あくまで一部だと信じたいのですが、投資ファンドと積極的に手を組んだり、外国のコレクターが日本での作品価格に詳しくないことを利用して大幅に高い価格を提示したり、プレをやらなければならないほど要望があるからという理由で新人作家の価格を法外に高く設定したり、かっては批判の対象としていたデパートでの展覧会を進めたり、さまざまな色合いのギャラリーが混在したアートフェアに参加するコマーシャルギャラリーが出てきていますし、あるいは少し前までは村上さん、奈良さんたちを「あれはアートじゃない」などと批判していたのにいきなり現代アートの若手作家を扱い始めた近代アート専門の画廊さんたちが現れ、また購入してすぐにオークションや他のギャラリーに転売するコレクターさんや画商さんが増えています。 もちろんどんな業界でもマーケットが拡大する場合には(怪しげなものを含め)多くのお金が流れ込み、人も参加してくるものですし、投機も避けられないと思います。またマーケット拡大に伴い、需要が供給を大幅に上回ると価格が上昇(特にアートの場合は原則一点しかないので急騰する)することもある程度は止むを得ないところがあります。それにいちいち目くじらを立てても意味はありません。しかし、(以前にも書いたのですが)アートは価格のついた、売買される商品であると同時に文化の一部であり、少なくともこの業界に関わっている人間は最低限この「文化」を支える仕事に携わっているという自覚は必要だと思います。文化は本来お金に換算できない価値を持つものですから、この自覚(これを今、原則と呼ぶとすれば)を持っていれば投機目的のお金には警戒しなければならず、上にあげたような無原則な動きにはならないはずだと思います。短期的利益や事業拡大、さらには売名行為のためなら多少怪しげでもどことでも手を組むというのは無原則を超え、無節操というべきです。とりわけまともなコマーシャルギャラリーであれば、自分たちが扱い、プロモートする作家の何が文化的に見て積極的な意味を持ち、問題提起になっているかを自覚しているはずですし、そうであれば、お金に対してだけでなく、ギャラリーとしてやってはいけないことを行動規範として持っているはずです。ギャラリーだけでなく、コレクター、画商を含めてこのような自覚、原則が曖昧になっていくことを懸念します。 というのは、私たちが今課題としているのは、ただビジネスとして収益を上げるだけでなく、現在アートブームが起こりつつあるとしてもまだまだわが国のマーケットが狭くて底が浅く、ブームを多元的に活用しながら多くのコレクターやアートファンに基盤を持つものにどう育てていくかだからです。作家やマーケットを支えるのは最後はお金ではなく人だと思います。アート業界に関わる人たちの多くが無原則になれば、結局、コレクターやファンを裏切ることになり、ブームが沈静化したとき、また以前と同じ状態になりかねないからです。 目先の利益だけに眼を奪われず(お金の誘惑は大きいのでこれはこれで大変ですが(笑))あくまで一人一人のコレクター、アートファンを大事にしていくことを原則としつつ、ギャラリー同士、あるいは他の業種の人たちと幅広く協力し、5年、10年の先を見ながらマーケット全体のために活動していく、つまりはわが国におけるアートマーケットのインフラを整備し、強化していくことが大事だと思います。 |
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