企業は不況の最中経費削減は必要だがその中で何を重要視するかが問われる。
ビジネスプランと同時に社会的役割を示す必要もある。
商品を通じて人に与える影響を示すのが社長を始めとした経営陣である。
その考えに共感すれば自然にアイディアも浮かぶと思う。
しかし最初に個人のスキルアップを回復のスローガンにしたら戸惑う社員も出る。
芸術や建築、デザインなど他分野への興味や勉強をしているのだろうか。
美やデザインに関わる職業でそれ以外にスキルアップの方法があるのだろうか。
スローガンとは裏腹に上司は部下を会社に縛り付けスキルアップを阻んでいるとすら勘ぐってしまう。それを部署の一体感と無意識に感じているなら危険である。
クリエイティブはデザイナーだけが行う事ではなく、それをデベロップする人も同等の理解力が必要であり同時に別の才能も求められる。
しかし今ではその両者がスキルアップのスキルを忘れてしまったのかもしれない。個人に立ち戻れば気付く些細な変化が集団心理に阻まれ感じない事もある。
ファッションは今までの価値観を素早くアップデートするものだが多様化する人の興味を解釈する方法に他の分野から学ぶ事をせずファションショーを頂点に位置付けたトップダウンのプロモーションにぶら下がる保守的な業界に数十年かけて変化してしまった。
パリを頂点とするヨーロッパのコレクションビジネスは芸術という不変性と革新性を味方につけ権威を保っているが日本のデザイナーズブランドはそれに洗脳され不利なステージで頑張ってきた。
しかしその合間をぬってコンプレックスをもたないストリートの表現にリアリティーを感じる人が増えはじめ逆に外国人にも影響を与える事になった。
彼らのファッションは音楽やアートやデザインなど自分たちのライフスタイルから発想した表現であり販売先もそれを理解しない相手とは組まないという業界が忘れていたビジネスをする。
それは表現の基本であり消費者に対する誠意につながる。
そこがビジネス主導の企業内デザイナーズブランドと違うところだと思う。
百貨店も同様のジレンマに陥っている。
そこで歴史を振り返ればノスタルジーというキーワードが浮かぶ。
モダンという価値観が輸入された当時の姿が逆に新鮮に映る時代ではないか。
思い切った変革は政治だけではない筈である。