毎年、東北芸工大で行われる大きなイベント「全国高等学校デザイン選手権大会」略して「デザセン」の決勝大会の審査員です。デザインの甲子園のような大会で、ものすごい数のエントリーから、選ばれた9提案がステージでプレゼンテーションを行います。デザインの見栄えを競うのではなく、高校生ならではの視点と気付きの勝負です。今年で3年目の審査だけれど、毎年楽しみにしています。昨年から審査委員長に小山薫堂さんが就任し、デザセン自体がさらに活気づいてきています。
今年はゲスト審査員にグラフィックデザイナーの原研哉さん、脳科学者の茂木健一郎さんも加わり、ほぼレギュラーの建築家”みかんぐみ”の竹内昌義さん、サステナのマエキタミヤコさん、ユニバーサルデザインの赤池学さんというお歴々。高校生にはまったく訳が分からないと思いますが、プロのデザインコンペでもなかなか実現しない多彩な顔ぶれです。なんだかんだで皆それぞれに繋がっているので、審査は厳しくも楽しい空気。

最近ご一緒する機会の多い 原研哉さんは、毎回ほんとうにお話が上手でじっと聞き入ってしまいます。さすがに言葉もデザインされています。茂木さんはなんというか全てが速いです。言葉も会話の展開も、出だしからトップスピードです。
こんなメンツなので、審査中の雑談のクオリティーがとても高く、自分にとってもいろいろと勉強になる集まりです。肝心な審査は?というと、審査員全員が高校生よりもまだまだ柔らかい、 フニャフニャな大人達なので、凝り固まった高校生に対する意見はとっても厳しく、小さなアイデアを引き上げるのは上手。いい審査だったんじゃないでしょうか。

常連の強豪、神戸市立科学技術高等学校 は平和をテーマにプレゼン。

ステージと僕の間に茂木先生の頭。

地元の新庄神室産業高校の「食べる絵の具」プレゼン。いろいろと食べさせていただきました。メンバーの松田君は終了後にダ〜っと走って挨拶にやってきて、ありがとうございました!と清々しい挨拶をしてくれました。気持ちのいい高校生です。

グランプリの九州産業大学付属九州高等学校のみなさんとの記念ショット。生徒さんのひいおばあちゃんが亡くなった体験から発案し、位牌に故人の思い出をデータ保存するという「USB位牌」を提案。なんとも意味深いプレゼンで、見事に優勝です。そういえば昨年に続く2連覇ですね。占部先生のご指導が光ります。おめでとうございます。
東北芸工大の「中山研究室」初披露。
って、まだまだ学科運営に忙しすぎて、なんにも自分の「研究」なんてことはできていませんが、大学の教員の個室はなぜだかそう呼ばれます。
試験管やフラスコ、もちろん古文書なども一切ありません。あるのは大きな丸いテーブル。そのテーブルにやってくる4年生中山ゼミのメンバーや、いろんな学年の がんばり屋学生、OB達と、なんでもないお話をするのが大切な「研究」です。

そんな研究室からも、ささやかながら社会の役に立てるお仕事が生まれたので、この1〜2年間のまとめを、学生達が学内ギャラリーで発表しました。その名も「お仕事展/中山ゼミのWorks&Report 2008-2009」。
基本的に僕がアートディレクションし、時には手を出しつつも、れっきとした学生達の徹夜の集積です。この展覧会、学生達が発案し、僕が東京にいる期間に、彼らだけの努力で展示空間を作り上げたので、初めて見た時は感動して泣きそうになりました。学生はもともと存在だけでも十分可愛いものですが、こういうクリエーションを見せてくれると愛しさ100倍です。

県内のJリーグチーム「モンテディオ山形」のディレクション提案が様々な意味で話題となり、それを機に山形とデザインについて興味を抱いて下さった方々からは、いろいろと地元製品や特産物、プロジェクトについてのデザイン相談が研究室に舞い込み始めました。それら依頼案件を題材に、研究室のテーブルに集う学生達と山形や地方ならではのデザイン提案に取り組んでいます。
まだまだ学生レベルのものから、他でも勝負できるレベルのものまで、成功例も失敗例も全部さらけ出して見せてしまおうという、勇気ある学生達の発案には感心しきり。
元々何かを教えているつもりもないですし、クリエーションやデザインなんて教えてあげられることではありませんから、ただ話を聞いているだけのような「研究」なのですが、いつのまにやら僕の方が沢山の事を教えられていたようです。
名札を付けていないと学食のおばさんにも学生と間違われて注意されるし、学生達の中に平気で埋没してしまうほど貫禄もないので、そろそろヒゲとか生やしたり、もっと教授っぽい格好?でもして、しっかりと先生を演じてあげないと、僕の学生達も不安なんではなかろうか?なんて思っていましたが、僕はこのままのやり方で、好きに学ばせていただく事とします。








ミッドタウンアートアワードの最終審査で六本木へ。
こんな大きなアワードの審査員だなんて、偉くなったもんだと少々複雑な心地ながらも、審査が始まると吹っ飛びます。
アーティストの五十嵐威暢先生、キュレーターの児島やよいさん、メディア・アーティストの八谷和彦君、キュレーターの清水敏男さんと僕の5人が審査員。
ほとんどのメンバーが第一回から引き続いての審査員なので、皆コンペそのものへの思い入れも強いです。
ものすごい数の一次審査を経て、緊張の二次プレゼン。そこからたどり着いた最終審査ですから、応募作家に対するこちらの責任も重大です。我々審査員もかなりの時間を使ってここまできました。
審査の結果は発表前なので明かせませんが、審議は毎回とてもスリリング。
五十嵐威暢先生とは、まだ今審査でしか絡んでいませんが、他の皆さんとは旧知の間柄。でもそれぞれの方々と別々の仕事をご一緒しただけなので、皆が一同に会して一つの物事に意見を言い合う機会はここだけです。審査会を通して、今まで知らなかった各プロフェッショナルの方々のアートに対する指向や思考、ここだけは譲れないという限界点も垣間みれるとても濃い時間です。最近他でも少し審査員をしていますが、こんなに真剣なコンペの審査会はないと思います。

審査は無事終了。まだ秘密なのでピンボケ。
ところでこのアワード、いわゆるこれまでのアート界的思考で捉えると、はっきり言ってものすごく難しいです。予算や規模、賞金などは、こんなご時世にもかかわらずアーティストにとってはけっこう嬉しいレベルだとは思いますが、問題はレギュレーションとアワードの存在意義。あのミッドタウンの地下道の、そのまたガラスケースの中で何かアートやれって言われても、けっこう、いや、ずいぶん困ります。
第一回の表彰スピーチでも申しましたが、このコンペで試されているのは何も応募者のアーティスト達だけではなく、もっと深刻な、極端に言えば、東京の街に本当にアートが必要なの? アートが街に出ると何かいい事でもあるの? 誰がそれを求めているの?、、、といった冷たくて厳しい究極の問いかけをされているように思えてなりません。運営するミッドタウン、審査員、毎日地下道を通る市民のみなさん、そういう皆の文化度が全体的に試されているというか。
終わったばかりで少々熱くなっていますが、このアワードがこのまま歳を重ねて行けるならば、きっと新しい提案の形や、東京の街なりのアートの着地点が見い出されるに違いありません。もしかすると、いつかアワードも終わってしまうかもしれませんが、そうなればそれも一つの答えでしょう。審査員をやっていようと、やっていまいと、これからも注目していたい超特殊なコンペです。
審査に集中して疲れたので、ひさしぶりに六本木をブラブラした後、原宿のVACANTへ。
THEATRE PRODUCTS/BOMBAY/2010 S/Sコレクション。東京は目下ファッションウイークだったのです。
会場は人で一杯。シアプロは超大人気です。 (って、VACANTは”空虚”なはずが、いつも人が多い場所)
毎回見ていたシアプロのショウも、山形に通いだしたらいつもスケジュールが合わず、今回は2年ぶり。先日行われたの那須での「動物ファッションショー」も見る事ができなくて、今回も本当は無理なスケジュールでしたが、午前中の審査で大学を休んだのでラッキーな事に見る事ができました。

ショウの撮影はマズいのでボンベイな床をピンボケ。
インドは何故かなかなか好きになれない国だけれど、けっこう何度も訪れているので、タイトルがボンベイと聞かされてドキドキ。
ほんと、シアプロはなんでも上手に、そして最近はけっこう強めの味付けで料理しちゃいますね。
いわゆる表層的な単純インド色は全く見せないで、素材とシルエットだけでボンベイを表現。
ナイマンの音楽と相まって、ちょっと見た事のないインド=ボンベイ感を見せてくれました。
優雅でやさしく、でも逞しい今回のコレクション。着こなす方にも素養が問われそうです。
CAFE’1930のおいしいカレーをいただきました。
このところカレーづいています。
神宮前の世界雑貨店「QUICO」のイベントへ。会場は桐島かれんさんのHouse of Lotus。よく晴れたさわやかな日で、洋館の中は満員です。厳選された仕立ての良い雑貨たちの展示即売は大盛況で、くわえて料理研究家ケンタロウお手製のカレーが限定130食でいただけるという贅沢なおまけつき。妻と、教え子の腹ぺこデザイナー2名とで、雑貨&カレーな日曜日。
あまりに混んでいたので、かれんさんのお計らいで別室にてカレーをいただく。
ケンタロウと大谷マキちゃんとは葉山での遊び友達。前日徹夜で作り込んだという特製チキンカレーは、とっても朗らかでケンタロウ風味。おいしかったです。どんなに有名になっても「そこらへんのお兄ちゃん」スタンスの変わらないケンタロウは、周囲のお客さんに”おいしかったです!”と声をかけられて、ふつうにめちゃめちゃ嬉しそう。「がんばって作ったもん」というケンタロウを見ながら、こっちもなんだか嬉しい。料理を作って誰かに喜んでもらえるなんて、大なり小なり誰もが普通に家庭でやっていることだろうけど、それを仕事にしているケンタロウは大変だろうなあと感心。本人はいたって遊んでるみたいに明るく振る舞っているけれど。おつかれさま。

カレーをいただく妻。背後には心配そうな料理人
イベント終了後のケンタロウとマキちゃん、妻の同級生の小児科の女医さんとで中山家で深夜までダラダラと会食。前半はほとんどは、僕とケンタロウの趣味話とキャンプ道具自慢。後半はお医者さんの知られざる苦労と、ケンタロウのはずかしい入院体験談による医療トーク。ジャンルが違う人が集まって、勝手な話が始まると本当に面白い。たのしい日曜日でした。

森山直太朗さんのライブへ。森山さんの大学の先輩だという妻と、外国育ちで美しい日本語が大好きな友人とで、以前から一回「生で聞いてみたい」と、気になりまくっていた若き歌い人。すごくメジャーだし、僕たちは数曲しか知らないし、直太朗ファンの若い女の子でいっぱいだったらコンサートとか行っても絶対ついていけないのでは?などという心配もしつつ、でもまあ生で聴ければ、それだけで幸せだよね、ということで少し緊張しながら参じました。
やっぱり歌声がすごいです。というか言葉がはっきりと聴こえることがなんだか嬉しい。2階席だったので表情はまったく見えなかったし、 初めて聞く歌も多かったけれど、きちんと響きました。NHKホールの音もすごく良かった。(紅白だと巨大に見えるのに、意外なコンパクトさに驚き)ASA-CHANGとバカボン鈴木さんがバンドメンバーで3倍お得でした。
お約束であるらしいファンの方達とのタオル演舞?などの、大きな会場ならではの一体感演出にはかなり慌てましたが、久しぶりに「いい歌を聴きに行った」という貴重な感動体験でした。また行きたいです。
僕の場合、音を聴きたいという欲求と、歌を聞きたいという欲求は 全然違います。たとえば仕事場において、音だと背中で聞きながら制作に集中できるけれど、それが歌だと意識が引っ張られてしまいます。なので、歌を聴くときはちゃんと歌に集中して、歌の方に向いていたいと思うのです。歌は正面を向いて聞くという勝手な作法を意識し始めたのは、浜崎貴司さんや大島保克さんの歌を聴いてから。彼らも言葉が聴こえる貴重なミュージシャンだと思います。そう言えば同じ日に浜崎貴司さんのライブもありましたね。ごめん、今日は直太朗さんで、、、、。 いつも思うけど歌える人って素直にうらやましい。いいなあ。
ところで、タイトルの「どこまで細部になれるだろう」という興味深いネーミングセンス。とっても気になったのでライブ後に本人に直接お聞きしたかったのですが、結局サッカーの話で終わっちゃいました。
その後J-WAVEでおなじみのクリス智子ちゃんと、妻と友人とで富ヶ谷に流れ着き、bluemarkの菊地敦己ことキクも加わって、韓国料理屋さんで深夜までバカ話。日本語はいいなあと感じた夜。